●子どもみやぎ代表太田さんの記事11/02河北新報記事
平成23年(2011年)11月2日(水曜日)付の河北新報に掲載された「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」代表、太田さんの記事を転載します。
放射線対策
宮城県対応福島並みに
3月の福島第1原発事故で拡散された放射性物質が東日本を広範囲で汚染した実態が明らかになってきた。子どもは健康への影響が大きいとされており、福島県と隣接する宮城県南部に暮らす親の間も不安の声は強い。
私たち「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」(子どもみやぎ)は県南住民を中心に結成された。子どもや暮らしを守るには、①健康への影響調査と研究②食品の放射性物質の測定と測定値の公表③除染の徹底ーが必要だと考え、さきざまな活動をしている。
活動の一つとして、宮城県に8月30日付で子どもの被ばく対策に関する要望書を出し、①国に対する県全域での健康調査実施要請②学校給食の安全性確保③公費による放射性物資の除染ーなどを求めた。しかし、県からようやく届いた10月4日付の回答書(全文を子どもみやぎのインターネットサイトに掲載)と、その後の対応にはがっかりさせられた。
◇ ◆ ◇
まず、私たちは県民、特に子どもと妊婦の健康調査の早急な実施を求めた。一方、県は先日「健康に影響はない」として調査対象を丸森町の一部にとどめた。
健康被害は今後長期的に見ていかなくてはならない問題であり「影響なし」と簡単に結論づけることが問題である。線量の比較的低い地域も含め全県的に調査を行う福島県とは差が出た格好だ。細野豪志原発事故担当相は7月に来県し「県境で対応の異ならないようにする」と述べ、健康調査実施にも言及していた。県境をつくっているのはむしろ宮城県ではないかと言いたくなる。
こうした県境による対応の差をなくすためにも除染基準と同様、「年間1ミリシーベルトを超える地域とその周辺は、国の貴任で健康調査をする」など最低限の基準を作るべきだ。本来、被害者である国民は誰もが無料で検査を受ける権利があるはずだ。
給食については、子どものために国の暫定基準値より厳しい県独自の数値を設け、各市町村には食品の放射性物質の測定器を配備することなどを求めた。これに対し、県は「独自の数値設定は高度に専門的で難しい」と回答した。確かに放射能の影響は未知の部分が多く、専門家の意見も分かれている。だが、「被ばくはしないほどよい」という点ほほぼ一致しており、必要なのは県の英断だけだ。実際、一部自治体では独自基準の設定をして給食の測定を始めた。
除染については、困が年間被ばく線量1ミリシーベルト以上の地域を財政支援の対象にする基奉万針を新たに決めた。県や市町村は住民の意見を聞いた上で除染計画を作り、積極的に実施してほしい。
県は原発事故後、「安心、安全」の宣伝に余念がない。だが、「安全」への評価が分かれる中、「安心」は放射線対策を徹底して初めて得られるものだ。「安全神話」による気の緩みが、汚染された稲わらや牛肉の流通の原因になったことを忘れてはいけない。
◇ ◆ ◇
国や県が推進し、私たちも容認してきた原子力政策。こちらも「安全神話」の弊害が事故とその後の対応に多くの問題を残した。その負の影響を何の責任もない子どもたちが最も多く受けるという皮肉。私たち大人は行政と市民が手を取り合い、誠実かつ最大限の予防策を取る必要と義務がある。宮城に残るという選択をしている以上、子どもたちにはできるだけのことをしてやりたいー。これが、不安を抱える多くの親たちのささやかで切実な思いではないだろうか。(投稿)
「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」代表
太田 茂樹(42歳・宮城県丸森町)

放射線対策
宮城県対応福島並みに
3月の福島第1原発事故で拡散された放射性物質が東日本を広範囲で汚染した実態が明らかになってきた。子どもは健康への影響が大きいとされており、福島県と隣接する宮城県南部に暮らす親の間も不安の声は強い。
私たち「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」(子どもみやぎ)は県南住民を中心に結成された。子どもや暮らしを守るには、①健康への影響調査と研究②食品の放射性物質の測定と測定値の公表③除染の徹底ーが必要だと考え、さきざまな活動をしている。
活動の一つとして、宮城県に8月30日付で子どもの被ばく対策に関する要望書を出し、①国に対する県全域での健康調査実施要請②学校給食の安全性確保③公費による放射性物資の除染ーなどを求めた。しかし、県からようやく届いた10月4日付の回答書(全文を子どもみやぎのインターネットサイトに掲載)と、その後の対応にはがっかりさせられた。
◇ ◆ ◇
まず、私たちは県民、特に子どもと妊婦の健康調査の早急な実施を求めた。一方、県は先日「健康に影響はない」として調査対象を丸森町の一部にとどめた。
健康被害は今後長期的に見ていかなくてはならない問題であり「影響なし」と簡単に結論づけることが問題である。線量の比較的低い地域も含め全県的に調査を行う福島県とは差が出た格好だ。細野豪志原発事故担当相は7月に来県し「県境で対応の異ならないようにする」と述べ、健康調査実施にも言及していた。県境をつくっているのはむしろ宮城県ではないかと言いたくなる。
こうした県境による対応の差をなくすためにも除染基準と同様、「年間1ミリシーベルトを超える地域とその周辺は、国の貴任で健康調査をする」など最低限の基準を作るべきだ。本来、被害者である国民は誰もが無料で検査を受ける権利があるはずだ。
給食については、子どものために国の暫定基準値より厳しい県独自の数値を設け、各市町村には食品の放射性物質の測定器を配備することなどを求めた。これに対し、県は「独自の数値設定は高度に専門的で難しい」と回答した。確かに放射能の影響は未知の部分が多く、専門家の意見も分かれている。だが、「被ばくはしないほどよい」という点ほほぼ一致しており、必要なのは県の英断だけだ。実際、一部自治体では独自基準の設定をして給食の測定を始めた。
除染については、困が年間被ばく線量1ミリシーベルト以上の地域を財政支援の対象にする基奉万針を新たに決めた。県や市町村は住民の意見を聞いた上で除染計画を作り、積極的に実施してほしい。
県は原発事故後、「安心、安全」の宣伝に余念がない。だが、「安全」への評価が分かれる中、「安心」は放射線対策を徹底して初めて得られるものだ。「安全神話」による気の緩みが、汚染された稲わらや牛肉の流通の原因になったことを忘れてはいけない。
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国や県が推進し、私たちも容認してきた原子力政策。こちらも「安全神話」の弊害が事故とその後の対応に多くの問題を残した。その負の影響を何の責任もない子どもたちが最も多く受けるという皮肉。私たち大人は行政と市民が手を取り合い、誠実かつ最大限の予防策を取る必要と義務がある。宮城に残るという選択をしている以上、子どもたちにはできるだけのことをしてやりたいー。これが、不安を抱える多くの親たちのささやかで切実な思いではないだろうか。(投稿)
「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」代表
太田 茂樹(42歳・宮城県丸森町)

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