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放射能に向き合って生きていくことを余儀なくされた私達。宮城県南部で、この放射能時代を生き抜くために、ゆるやかにネットワークができました。
代表は味噌づくりのシゲさん、サイト管理は炭やきのミツオ、いずれもヒゲクマですが、味噌、炭、いずれも放射能時代を生き抜くためには大切なもの…。「風の谷のナウシカ」ならぬ、「味噌の谷のシゲ」と「炭の谷のミツ」です。よろしく!

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●「原発事故子ども・被災者支援法セミナー」12/2@白石市-報告とお願い

「原発事故 子ども・被災者支援法セミナー」12/2 @白石市 報告とお願い 

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12/2に白石市にて開催された「原発事故 子ども・被災者支援法セミナー」においてはたくさんの方にご参加いただきありがとうございました。講師の尾谷さんはじめご協力いただいた方々に感謝いたします。 報告が遅くなり大変申し訳ありませんでした。

第1部において福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)の尾谷恒治 弁護士より今年の6月に成立した支援法についてご説明いただき、その後の国の動きや市民運動の動きなども紹介して頂き今後の取り組みのポイントなどのアドバイスもいただきました。とてもよくまとまっていて分かりやすかったです。(当日のレジュメを掲載いたします)

当日のレジュメは、下記からどうぞ。
原発事故子ども・被災者支援法の概要(パワーポイント形式の資料です)
資料2「原発事故子ども・被災者支援法」に関する要望
「原発事故子ども・被災者支援法」基本方針に関する要望と提言

そして第2部においては今年の7月に宮城県議会にて全会一致で採択された「子どもたちと妊産婦を放射能から守る体制の確立を求める請願」とその後の県議会の動きについて遊佐みゆき県議の報告を受けた後に遊佐県議、尾谷弁護士、請願採択にご尽力いただいた篠原弘典氏(脱原発 風の会代表)、太田茂樹(子どもみやぎ代表)でパネルディスカッション形式で宮城県において今後どのように運動を進めていくべきか会場の質疑を受けながら進めました。

支援法についてはやはり声を届けることが大事であることが確認されました。支援対象地域の範囲など基本方針については1月中に決まりそうであるという情報もあります。子どもみやぎとしてもこれまで機会を見つけて国会議員や支援法市民会議、メディアなどに訴えてきましたが復興庁に直接訴える機会を設けるべきと考えています。総選挙後、政界地図も大きく変わりましたが、閣僚人事が決まった後のしかるべき時期に対応をしたいと考えています。

県議会の請願については残念ながら採択後、県の対応が目に見えて変わったということはありませんが、ようやく県も丸森町の一部地域の子どもたちに対して県が昨年12月に行なった甲状腺検査についてのフォロー検査を来年1月に行うことを決定しました。これは県による検査の結果、一部の子どもたちの甲状腺にしこりが見つかりましたが、(しこりが見つかること自体は珍しいことではありません)県はフォロー検査の必要性を示唆する一方で県の検査の打ち切りを発表していました。 この対応は無責任であると請願において訴えていましたが、この部分に関しては改善されました。

今後は県としては「支援法の動きを見ながら対応していきたい」としています。 国の指示待ちは情けないですが、現状では支援法に期待するしかありません。

行政による健康調査は子どもみやぎとしてもずっと訴えてきたことですが、今のところ丸森町と栗原市で自治体独自の健康調査が一部で行なわれているにすぎません。 自治体の負担ではなく国がきちんと責任と統一性を持って行うべきことであると考えます。 その最後の望みがこの「原発事故 子ども・被災者支援法」の支援対象地域に指定されることと支援法の中身が充実することです。

今が大事な時期です。どうぞ皆さんの声を復興庁、身近な役所や役場の首長、市、町、県、国会議員さん、メディア、・・などなど出来るだけたくさん届けてください。よろしくお願いいたします。 

・法定被ばく限度、年間1ミリ㏜を超える地域を支援対象地域に!!(本当は支援をお願いするのではなく権利です!!)
・個別の事情に応じ、出来るだけ広い範囲の人がその権利を得られるよう!!
                                                                                                            
※ 講師の尾谷さんの当日のレジュメ、支援法市民会議が復興庁に提出した要望書などを了解を得まして掲載させていただきます。

(文責:太田茂樹)
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●原発事故 子ども・被災者支援法セミナー(12/2):参加報告

12/2に開催された
原発事故 子ども・被災者支援法セミナーの
角田のYさんの参加報告です。
きんじょすくいの会のサイトの記事からの転載です。

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原発事故 子ども・被災者支援法セミナーに参加してきました。

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左から
・子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク 代表 太田茂樹さん
・宮城県議会議員 遊佐みゆきさん
みやぎ脱原発・風の会 篠原弘典さん
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN) 尾谷恒治さん

太田さんの「私たちは東電の原発事故によって、不安な生活を強いられている。それを無くすための行動が”支援”とか”要望”とか、お願いしている感じになってしまうけれど、本来ならば当たり前の権利だ。」という言葉が印象に残りました。

遊佐さんは、過密な日程の中、参加は無理だと思われましたが貴重な時間を割いて参加していただきました。ありがとうございました。

篠原さんの「(原発による放射能の問題は長丁場になるから)役所などに原発や放射能の専門家を職員として採用していく必要がある」という言葉が印象に残りました。

尾谷さんは今年の3月にもお話をしていただく機会がありましたが、その時も今回も被災地の人間に寄り添う気持ちが伝わってきました。東京の弁護士さんなのに何故と思っていましたがふたりのお子さんを持つお父さんなのだそうです。子を守りたいという思いは同じなのだと思いました。

「原発事故子ども・被災者支援法」は正式名称がとても長いための略称です。
以下に正式名称と法律の内容へのリンクをかけておきます。
東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律
(平成二十四年六月二十七日法律第四十八号)

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関連サイト
原発事故子ども・被災者支援法 市民会議 ウェブサイト – 市民会議
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以下、尾谷さんのパワーポイントの転載です。

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●放射能問題意見交換会(11/24)の報告

〇先日お知らせしました11/24日、民主党宮城県連主催の放射能問題意見交換会へ出席してきましたので簡単にご報告します。 その時復興副大臣の今野 東氏にお渡しした要望書もつけておきます。
                                   子どもみやぎ 太田茂樹

11/24に今野東復興副大臣に手渡した
要望書「みやぎの子どもたち、家族にも国はしっかりと責任を果たして下さい!」

は↑上記をクリックでダウンロードできます。

ー以下報告ー

※聞き書きのため不正確な点、偏りがあるかと思います。ご了承ください。
 12/2の支援法セミナーで最新の情報が得られると思います。

民主党宮城県連主催の「原発事故 子ども・被災者支援法」を中心とした「放射能問題意見交換会」(於:仙台市)へ参加してきました。県南からは6名が参加しました。先方は衆院選前ということで衆議員の皆さんはやはり事務所開きなど忙しいようでした。県連代表で復興副大臣(次の大臣が決まるまで現職とのこと)でもある今野 東氏も前半は参加され要望書をお渡ししました。県議の遊佐みゆき氏の進行、 岡崎トミ子参議院議員を中心に「原発事故 子ども・被災者支援法」の説明と意見交換が行われました。他に仙台市議の岡本あき子氏、佐藤わか子氏も参加されました。要望書は福島から避難されている方々の会(フロム福島)の代表の方や保育関係者の方も渡されました。

・私たちの気になる支援対象の地域の基準に関してはまだ決まっておらず、次の政権で決まることになる。1m㏜を要望しているが、5m㏜という話もあったりでまだまだ予断を許さない状況のようでした。

・健康調査に関してもできるだけ広い範囲が対象になるように働きかけているが財務省が難色を示している、これに対し、議員連盟をつくり、日弁連と連携して働きかけを強めているとのことでした。

・とにかく支援法はプログラム法なので復興庁で取りまとめをしているが実施するのは健康調査なら環境省、高速道路無料化なら国交省というように分かれ、色々調整に時間がかかって大変とのことでした。 現在まだ基本方針をつくっている段階とのことで、スピードを持って取り組んでもらうよう要望しました。

また、岡崎議員の中では空間線量は丸森は比較的高いが白石はそれほどでもないという認識だったので白石の皆さんからも実情を語っていただきました。 少しは認識を改めてもらえたのではないかと思います。 やはり直接、当事者が声を届けることのインパクトは何より大きいです。

とにかく、議員の皆さんも色々な案件に関わっているのでとにかく声を直接届け、頭にしっかりとインプットしてもらうのが大事であることを改めて感じました。

参加者からはこれらの問題はすべて国の原子力政策の結果起きたものである、すべての要望を叶えるのは当然のことであるという強い意見や民主党の脱原発政策のブレを強く指摘する声などがありました。

●「医師から学ぼう 放射線のこと(6/2)村田三郎医師をお迎えして」の報告

先日開催した村田先生の講演会の報告です。
村田三郎医師(阪南中央病院副院長:内科医)は、広島・長崎の原爆被爆者の健康診断や診療、実態調査をおこなう一方、原発の労働者被曝問題に長年関わり、被曝労働に関する労災認定に尽力。低線量の被曝による放射線障害、­内部被曝の危険性に警鐘を鳴らし続けていらっしゃいます。

誠実に緊張してお話しされていた様子が印象的でした。そのお人柄に感銘を受けた方も多かったようです。

下記の箇条書きはすべてを網羅しているわけはありません。
動画もアップしましたのでご覧ください。
講演会と質疑応答で2時間、健康相談会は1時間です。
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・筑波の産総研で2011・3・15、19に測定された放射性核種のスペクトルからすると
バックグランド(いまだ残るかつての大気圏核実験などで拡散された放射能)の約1000倍の濃度の放射性物質が降ったことがわかる。
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・福島の県民調査で実施されたWBC(ホールボディーカウンター)による体内の放射能の測定では、検出限界が高いので、あとから発症したとして当時のあなたの検査では不検出でしたと、因果関係を示す証拠にはならない程度の検査になっていて問題がある。検出限界以下だから大丈夫ということにはならない。

・被曝のリスクに閾値はなく線量と影響の度合いが直線状に比例するというのは仮説ではなく、広島長崎の疫学調査から実証された。しかし、御用学者さんたちは認めようとしないので、これらの論文はすべて英文でしか報告されていない。

・広島長崎の原爆の被爆者のデータでは、白血病以外のがん死は20年、30年たってから増えてきている。今も増え続けている病気もある。

・広島長崎の場合、爆心地から3,5キロ地点でだいたい1ミリシーベルトの被爆量になる。3年前から、3,5キロ未満の地域で被爆した人がガンや白血病になれば、国も原爆との因果関係を認めるようになってきた。つまり1msv以上でガンや白血病になれば原爆症と認定される。1msvはこのレベルの数字。40年、50年と運動を続けてきた結果でのこと。

・原発現場の労災認定は5ミリシーベルト/年、広島原爆症認定は、1ミリシーベルト/年で認められる。国のいっている20ミリ/年とか100ミリ/年は、とんでもない話。

・WBC、尿検査は、被曝があったという事実の証拠にはなる。3か月~6か月位の間隔で定期的に実施した方がいい。行動の記録なども残しておいた方がよい。広島長崎の場合、2,3歳で被爆した方が大人になってからでは思い出せないので、しっかり記録を残す必要がある。特に被曝初期の2週間~2か月くらいの記録は重要。記憶にあるうちに残すべし。子どものためにも子どもの行動記録を残すべし。

・被曝の影響を低減する、免疫力をたかめる手立て。一般人もガンのきっかけになる細胞は常に抱えている。それを抑える働きが体にはあって、それをガン免疫という。そのガン免疫をたかめるためには、充分な睡眠、休息、栄養バランス、適度な運動、ガンの遺伝子を活性化させる要素(タバコ、過剰なアルコール、食品添加物などなど)を避けること、減らすこと。

・人間のからだに必要があって取り込む天然の放射性核種は放射性カリウム、放射性炭素は必要があってとりこんでいるもの。セシウムは必要でなく余分なもので、処理に困るもの。それと一緒にするのはおかしいし、間違いである。

・症状が被曝が原因である根拠を示しにくいが、原因がストレスであるという根拠もない。

・被曝は少なければ少ない方が良い、それは誰も(どんな年齢でも)一緒です。

・リンパの症状をについて—出て消えて出て消えてを繰り返すしこりはまず心配ない。触った感じで、ころころとよく動くタイプのリンパ腺、皮膚とリンパ腺が離れている感じでよく動くタイプのものは心配ない。触ってあんまり動かないもの、奥の組織とくっついてる感じのものは、なにか病気の始まりの場合もあります。医者に説明する時は、医者が関心を持つように、たとえば「触った感じが動かないんです」とか「最近だんだん大きくなっているようです」とか、「数が増えた」とか、説明すると、関心持ってもらえると思います。甲状腺、リンパ腺などの内分泌系を専門にしている医者が少ないが、最近は超音波検査器などの技師さんで研究している方もいる。そういう方とのご縁があればよく診てもらえるはず。



youtubeの埋め込みがご覧いただけない方は、リンクをクリックしてご覧下さい。
講演会
http://goo.gl/Lhelw



健康相談会
http://goo.gl/Y4tEt

●「みんなで学ぼう!損害賠償と健康管理」 報告その2

3.25に開催の
「みんなで学ぼう!損害賠償と健康管理」の報告その2です。
沼倉さんバージョンです。
重なる部分も多いですが、ご覧下さい。
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◆損害賠償の現状と可能性

宮城県の南部では、福島県よりも高い線量が観測されている地域もあるが、宮城県は「避難指示区域」「自主的避難区域」の対象とはされていないため、宮城県の「損害賠償請求」は認められにくい現状がある。

本来、福島原発によって生じた「実害」の東京電力への「損害賠償請求」の仕方には、次の3つの方法がある。

1)東京電力に直接請求する。

2)「原子力損害賠償紛争解決センター」に和解の仲介(ADR)を申し立てる。

3)裁判所に訴訟をおこす。

しかし、

1)については、国は原則として「避難指示区域」「自主的避難区域」を「賠償」の対象としているため「避難指示区域」「自主的避難区域」ではない宮城県の「賠償請求」は認められにくいのが現状である。

3)については、裁判は費用・時間がかかるうえに、裁判所は「放射線」についての専門知識を持ち合わせていないので、国が出した基準、つまり、避難については「年間20ミリ」、除染については「年間1ミリ」の基準に従って判断がなされる。そのため、「20ミリ」以下の宮城県では、避難についての「賠償請求」が認められにくいのが現状である。

2)「賠償」の程度はまだ低いが、結論がはやく、1)や3)よりも認められやすいので、今の制度のなかでは、一番、現実的である。

「風評被害」は、「原子力損害賠償紛争審査会」が調査をして、声があがらないところは対象外とされているだけである。また、平成23年12月6日に「審査会」が出した「原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」でも「個別の損害については今回の原発事故との因果関係が明らかなら認めることもあり得る」とされている。

そのため、宮城県でも、具体的にこういうことで困っている、「実害」を受けているという声を上げるべきで、宮城県の声が東京には伝わっていないから認められていないというのが現実なのである。

◆健康管理の必要性

1)福島老朽原発を考える会(フクロウの会)が2011年5月22日から対象52名に延べ66回実施した尿検査の結果、北は岩手県奥州市から南は千葉県柏市まで、広い範囲で子どもの尿からセシウムが検出されている。(フランス放射能測定NGO-ACRO高純度ゲルマニウム測定器)

2)ACROの測定結果によれば、セシウムのレベルは事故直後と同程度かそれ以上であり、時間経過とともに自然に減るわけではなく、微増した例も観測されている。

3)福島原発によるセシウムのレベルは「放置してよいレベル」ではなく、例えば、現在の汚染の状況は、バンダジェフスキー氏の研究によれば、チェルノブイリの事故では3歳~7歳の子どもの60%に心電図異常が発生したレベル、福島昭治氏の研究では、膀胱がんの前段現象である「上皮内がん」の発生率が59%~64%のレベルである。

4)食生活や生活パターンの改善で尿中のセシウム量は顕著に減少する。例えば、一関市の4歳児の例では、2011年7月までは放射線のことは全く気にせずに、祖母の畑でとれた野菜・シイタケ・山菜などを食べていたが、家で栽培した干しシイタケを測定したところ1,810Bq/kgが検出された(フクロウの会/ACRO測定)。数値が明らかになって以来、野菜は西日本産・北海道産などに切り替え、3ヵ月後、12月に継続検査を行った結果、顕著に尿中のセシウム量が減少した。

〔結論〕健康調査によって内部被ばく量を精確に測定して、食生活や生活パターンを見直すことにより、体内被ばく量の減少と健康被害の予防につなげることができる。そのため、精度の高い健康調査を継続して行うことが重要である。

<今後の対応>

以上を踏まえ、子どもみやぎとしても、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク、また、原発被災者弁護団などを通じて、福島原発事故によって宮城県内で「実害」を被っている事例について福島県と同程度の「補償」が受けられるよう「原子力損害賠償紛争解決センター」に働きかけることを、今後、検討して参りたいと思いますので、皆さんのご意見をお願い致します。


沼倉 昭仁

●「みんなで学ぼう!損害賠償と健康管理」 報告

「みんなで学ぼう!損害賠償と健康管理」の報告です。
きんじょすくいの会のサイトからの転載です。



放射能汚染と向き合うために
尿検査から見えてきたもの〜健康管理調査の必要性
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現在の賠償の指針の内容と問題点、可能性、健康管理などについて、講師をお招きして昨日、大河原で勉強会を開きました。

記憶を頼りに記録しておきますので、参加された方で補足、感想などありましたら是非、コメント欄からお願いします。
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2011年12月に出された「自主的避難等に関する指針」は、避難した人、とどまった人の双方に対する賠償の指針ですが、その対象は福島県の一部にとどまり、同じように放射能汚染の被害を受けている宮城県民は賠償の対象となっていません。宮城県南部は地理的にも、線量的にも福島県と同程度、場所によっては賠償を受けた福島県の地域より線量の高いところがあるにもかかわらずです。宮城県の南部でも、移住を決意した人、農業をあきらめた人がいます。こうした原発被害に対しては、正当な賠償を受け取る権利がある。

納得できる根拠もなく決められた、避難指示対象区域と自主的避難等対象区域が判断の重要な基準になってしまい、その地域の住民に対してだけ賠償がされているのが現状です。しかもその賠償額は弁護士の感覚からしても異常に低い額なのだそうです。宮城県南部でもある程度まとまった人数で、正当な賠償を求めて行動することは市民活動にもつながり、国の方針を変えることに繋がる可能性がある。また、正当な賠償を求めて認めさせることができれば不当な線引きになってしまっている自主的避難等対象区域を自主的に広げる事になる。


具体的に賠償を求める場合、次の3つの方法がある。

東京電力
ADR(裁判外紛争解決手続)
裁判所
このうち「東京電力」は国の線引きした自主的避難等対象区域外からの訴えに対しては紙ぺら1枚で賠償の対象には該当しない、として終わりにさせられているのが現状。
「裁判所」は放射能のことや線量の事など専門的な内容が判断基準になるがその事を裁判官が知っている訳ではないので基本的に国の指針を判断基準とする傾向があるため必ずしも住民の意向に沿った結果が得られるとは限らない。
「ADR」がこの3つの選択肢の中では一番可能性があり、現実的だ。裁判所で結果がでたら二度と裁判を起こすことはできないが、ADRで思ったような結果が出なくても新たに裁判に訴えることも可能。ただしADRは最近、結果を出来るだけ早く出すことを目指しているために1回目の相談が非常に大事になってくる。作戦を立てて臨むことが大切。(この件に関しては弁護士の方から、やる気なのであれば相談に乗るし一緒にやりましょうとの提案もいただきました)

尿検査の結果を元に健康管理の必要性などの話もいただきました。尿検査の結果、少なくないセシウムが検出された子どもを3ヶ月後に再度、検査をするとほとんど数値が下がっていることも報告されました。それは1回目の検査の結果にショックを受けそれからの食生活に注意をするようになるからだということです。

食生活や生活パターンの改善で尿中セシウム量は顕著に減少する。

逆に言えば、内部被曝への注意をせず好きなものを食べると被曝する可能性が高い、ということです。そして測定結果から見ると放射線量が高い地域と低い地域で尿中セシウム量の相関関係が見られない。尿中セシウム量が高い原因は結局、どこでくらしているかではなく何を食べているか、によるものだとも報告がありました。

2012-3-25-5

会場の都合で5時に終了した後、1階のロビーで具体的に賠償を求めるならどうしたらいいかなど具体的な相談、提案をいただきました。

個人的に、ADRと今回の放射能問題ののやり取りなどを精力的に行なっている弁護士の方に聞いたところ、宮城県でも、このような深刻な事態が起こっているということは全く知られていないと聞き、ショックを受けました。興味関心を持って動いている方ですら放射能は福島県の問題なのです。宮城県に住んでいる私たちを黙っていても誰かが助けてくれることは全く考えられません。

困難な状況に置かれている宮城県南部の者に寄り添う姿勢で接していただいた4人の方のに改めてお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。
尾谷恒治さん(弁護士)
阪上武さん(フクロウの会
青木一政さん(フクロウの会
満田夏花さん(FoE Japan


※現在、当日の模様を収録した資料用のDVDをきんじょすくいの会で製作中です。ご希望の方には貸出しする予定です。完成したらきんじょすくいの会サイトでお知らせします。

●宮城県議会保健福祉委員会請願審査 聞き取りと報告

先日の3/15に県議会の保健福祉委員会の参考人として意見を述べに行ってきました。
残念ながら結果は継続審査(次に持越し)という ことになってしまいました。そうすると次回の議会は6月と大分先になってしまいます。

有識者の方からも健康調査の意義を否定しない発言も出るなど全体の流れとしては当然採択に(付帯意見つきにしても)行きそうな雰囲気でした。自民 、公明系の県議の方々も「東電、国が責任を負わなくてはいけないことだが、私たちもこうした内容については必要なことだと思う」といった感じでした。しかしいざ採決になるとやおら自民、公明の方々は宮城県の子どもたちすべての「すべて」が問題である、「予算の裏付けがない」など採択へ難色を示しだし民主、社民、共産系の議員の方々が「趣旨を組むべきで細かい点については付帯意見をつければよい」などと理解を求めてくれましたが 結局は継続審査となってしまいました。
何とも残念な結果となってしまいましたが、35団体が連携して県全体でこれだけの声があることを示せた意義は大きかったと思いますし、ややもすると消えかけてしまう問題にもう一度目を向けさせることができたと思います。 
21日にも保健福祉委員会が開かれ、また何らかの話し合いがされるようです。何か動きが出てくることを期待したいと思います。
ここまで色々とご尽力いただいた方々にまず感謝申し上げます。 この請願も否決されたわけではありませんし、まだまだこれからですので、今後についてもいろいろと相談しながら進んでいきたいと思っております。
(文責 太田茂樹)



6人の参考人を招致しての4時間に及ぶ請願審査の傍聴聞き取りです。
テープ起こしでもなく、数値など不安要素もありますが、これだけの参考人のお話は貴重と判断し掲載することにしました。ご覧になった方の、リスコミのキャパシティを信じます。
請願は、民意をくみ上げる、という救済的な意味合いが強く、権利の一つです。
委員は審査のなかで、採択すべきかを議論するのであり、参考人の一人である請願者は願意についての意見だけを述べれば十分なことです。趣旨内容の審議の対応は、紹介議員が行うのが一般的です。一部採択、審査意見をつけるなどの手段もあるのですから、予算の裏付けが採択を左右するものでもないと、私は判断します。今回のように、請願者に趣旨を問いつめたことには、驚きました。矢面に立たされた太田さんには、心から申し訳なく思っています。「子どもの健康を守る思いは全員一致している」と言われた委員の皆さんの、一刻も早い真摯な対応を望んでやみません。
(聞き取り文責 吉田貞子)

<2012.3.15 宮城県議会保健福祉委員会請願審査 聞き取り>------------------------------
○久道茂県対がん協会会長(有識者会議座長)
 この保健福祉委員会で、有識者会議について委員の専門性と防護の視点がないことが議論されていた。委員の専門性については、放射線研究者が2名。放射線の研究では、防護を必然的にやっているので、防護の見解もお聞きした。甲状腺癌の研究者。そして座長である私は、レントゲンを使っての研究をしており、白血病の発生要因に関心があった。公衆衛生、癌予防、疫学、癌検診の有効性評価にあたってきた。有識者会議への要請事項は、①放射能汚染により、本県への影響はあるか? ②福島県に準ずる調査が必要か? ③県民の不安を払拭するために何が必要か? これに対し会議では、①影響ない ②一般検診と受診勧奨でよい ③正しい知識の啓蒙、生活習慣による発ガン率の予防、癌登録のさらなる推進を審議の報告としてまとめた。一言感想。科学的医学的な安全性と、県民の心の安全性にはギャップがある。これは、行政発信への根深い不信と、「専門家」の揺らぎが原因。(長滝重信元放影研理事長の講演を引用しながら)「サイエンス」=科学的事実 と 「ポリシー」=個人的、政治的、意図的に集める は区別。国連科学委員会が認めた「科学」では、広島・長崎12万人のヒバクシャの資料がゴールドスタンダード。経済的・社会的・合理的に実施可能な限り出来るだけ低くするべきというのはポリシーであり、国際勧告の「公衆被ばく1mSV」は、科学的根拠は全くない。この前提にたって、有識者会議の報告に対する委員の疑問に答える。
(1)「低線量被ばくは、現時点で不確かであり推計。ゆえに追跡調査をすべきだ。」
   医学医療の多くは、不確実。完全に当たる診断や治療はなく蓋然性。放射線に関しても信用するしかない。疫学者の立場を明らかにすることが大切だと考えた。18歳以下は膨大であり、長期的であり、その医療資源はなく、科学者として無理だと判断した。
(2)「1回の調査で、必要ないとするのは乱暴」
   WBCは全員1mSV以下で、健康に影響ない。甲状腺は、通常の経過観察でOK。何らかの異常が出たときに対処すればよい。これからも福島の調査を注視していく。宮城には、40年前から癌登録がある。福島はないので、今とらなければいけない。有識者会議への諮問は、そこまでのものでないので、やれと言われれば、今後資料をたたき台にすべき。
(3)「18歳以下全員する必要ない」のか?
   福島でも完全実施は困難と聞いている。福島36万人を5年間で実施といっているが、半年間で32511人。1班5人体制で5班、医師14名。(内県外7名)検査技師11名(内県外8名)1日に550人。良性腫瘍に対して「放射線の影響が否めません」といった医師など、様々な問題が出ている。検診には、対策型検診と、費用対効果を考えなくても良い個人で受診する任意型検診がある。行政がやるのは対策型であり、目的と効果と費用を勘案するべきもの。また検診のやりっ放しではいけない。また、早期発見が必ずしも利益でない場合もある。小児癌検診は年間120万人していたが平成15年にやめた。死亡率減少効果がないばかりか、手術しなくても良い者まで施術したことがあった。発育が遅い前立腺癌や甲状腺癌。宮城県民40万人やるのはお金の問題でもとても無理。やるのであれば対象者をしぼる。重点区域のような4市5町と、それ以外を実施して分析し、結果を県民に定期的に開示。科学的にリスク0ではない。知識をもって癌と闘おう。お節介の精神ですすめるべき。
<質疑>
◆石橋(公明) やれば貴重なデータになる。仙台でも富沢小で除染した。子どもを守る視点が大切。出来るなら全部だが、重点区域だけでもやるべきだということか?
○久道  重点地域でも対象区域、対象者を絞る。丸森でも高い筆甫、耕野。石巻全市でなくても良い。高い区域に絞る。検査能力、処理能力がない。宮城には放射線専門医は13名。認定医でないと画像診断に差がでる。疑いがたくさんでる。「疑い」を精密検査できる医療機関が5,6カ所しかない。2次検査できる能力から対象者を逆算すべきではないか。
◆石橋  国にも私は強く要望してきた。久道先生に敬意を表す。
◆遊佐(民主)  有識者会議を開催する前に、委員同士の意見交換はなかったか
○久道  ない
◆遊佐  リスクコミュニケーションの視点が大切。丸森の調査数は少なすぎる。期間や予算が示されていたのか?
○久道  線量の比較的高い地域というだけで、人数とか予算とか県から聞いていない。
◆遊佐  小児癌の体制整備が必要では。
○久道  やり方やコミュニケーションの深め方。関心のある人と無い人がいる。無関心な人は、不安がっているが、講演会には来ない。継続的に長くやっていくしかない。
◆今野(自民)  栗原の稲藁や廃用牛処理とか、不安払拭の具体的説明はどうすべきか
○石井慶造 東北大サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター長  
栗原には自分が関わったが、除染方法も業者手配も済んでおり、昨年実験も完了。稲藁処理も進展している。
◆今野  安全と有識者から言われる一方で除染もしなければならない。これではやっぱり不安。
○久道  事故が無くても自然放射線は出ている。日本1.5mSV。身体にも7000Bq持っている。人間は放射線を浴びて生きている。0でなければ安心できないと言われても困る。これを知っている人は以外と少ない。
○石井  WBCは内部被ばく、ガラスバッジは外部被ばくを測る。体内は3カ月すぎて1Bq/kg以下でK40の値より低い。元々宮城は自然放射線量も低い。
◆仁田(自民)  県民に対する知識の啓発が大事。アーニー・ガンダーソン博士は100万人癌になる可能性があると言った。マスコミのとらえ方も問題。医学的見地から、どんどん活動するよう要望する。
○石井  低いと言ったが、モニタリングはしっかりやった方がよい。
◆本多(社民) 石井教授は、むしろ放射線が身体にいいと言ったと聞いているが真偽は?
○石井  そういうことを言う人がいると言ったら、私が言ったことに報道された。
◆本多  低線量被ばくは影響がはっきりしていないという立場か?解明されていない?
○久道  いろんな研究者がいろんなことを言っているのは確か。チュエルノブイリ膀胱癌は、国際会議では、まだ認められていない。研究方法、解析、ピュアレビューなど。甲状腺癌以外はエビデンスがえられていない。
◆天下(共産) 床次眞司教授も、まだまだ解らないことがある。健康調査は必要だろうと言っていた。久道先生の先程の『せめて・・・』(重点区域の実施)は、意義ある第一歩の発言だ。我が子は大丈夫か?に応える必要がある。子どもの検診は、一般癌検診で対応できるのか?
○久道  弘前大の見解は、全くその通り。「せめて・・・」は確かに「せめて・・」であり、できるかを分析する必要がある。癌検診、白血病検診は子どもにはない。白血病の頻度は少ない。1万人に1人の発病を見つけるために、9999人に検診をすべきか?あまりにも頻度が少ない癌検診は必要ないというのが、癌検診の視点。甲状腺癌も低い。宮城の19歳以下の2002~2006年の5年間での発症は8名。40~60歳で250名(男性50名、女性200名)、丸森は0!無駄が多い検診。乳ガンの乳房自己検診のように、親が気をつけてほしい。
◆天下  白血病など、できることをもっとやっていくことを提言すべきでは?
○久道  白血病検診は大変だ。血液を採ればよいというものではない。血液の専門家は少ない。必要性と実施可能性を考えて提言している。
◆細川(自民)重点地域に絞ると1万3千人になる。限定してのガラスバッチの有効性は?
○石井  1mSV以上の所が除染。本当に超えているかを調べるのには有効。山中では1mSV超えているところがある。どういうふうにどう除染すべきか解ることが、ガラスバッチの有効性。子どもと大人では高さが違うので、正確なモニタリングになる。

                            


○吉田浩子 東北大大学院薬学研究科ラジオアイソトープ研究教育センター
    2011.6.20から県南部の環境測定に入った。個人被ばく線量のモニタリングのプロジェクトを結成。8.31丸森町長から個人情報と人権尊重を条件に31名実施。12.16越河小48名実施。現在120名実施。宮城県は広く「汚染地域」が広がり、丸森と白石が高レベル。人は動くのだから、環境線量評価だけでは不十分。宮城県の基礎データをとるのは重要。除染効果を見るのにも必要。「高濃度汚染地域」を含む丸森、白石については、15歳以下を全員対象とし、継続した累積線量調査を行うべき。「汚染状況重点調査区域」は、15歳以下から少なくとも抽出して調査。
放射線防護の原則は確定的影響が起こらないようにし、確率的影響が起こる確率を許される程度にまで抑えること。全関係者による最適化のプロセスへの関与が必要であり、意思決定プロセスには防護の専門家だけでなく、利害関係者の参加を含むべき。
「安全」と「安心」は違う。放射能は、人が「怖い」と思う要素を全て持っている。リスクコミュニケーションは双方向な対話の過程であって、一方的な啓蒙、教育は押し付けにしか過ぎず、リスクの社会的受容には有効ではない。十分な情報提供、話し合い、意思決定への参加、線量モニタリング・健康調査などによる納得での不安軽減が有効。
<質疑>
◆仁田 (学会論文に出す用意があるのでデータが出せない、と言ったことに対して)ならば公的に認められていないデータ。今日明日の問題を今論議している。今後発表する論文で議論できない。リスコミも。
○吉田  住民のために測定。論文を世に出す責任がある。配付資料に載せられないだけで、リスク評価に係わるものでない。リスコミは学問の体系としてある。
◆仁田  数値もだせないもので議論できない。リスコミなど、この程度のことなら誰でも知っている。
周知の仕方が大事。受け入れ方の問題だ。
○吉田  資料に出せないのはグラフとしての数値。仁田先生は現地に行かれてどうなされたかわからないが、私は現地に行ってリスコミの概念が行き渡っていないと感じたので、皆さんご存知かと思ったが、報告した。
◆天下  県予算450万円では納得できないでしょう。行政に望むことは?
○吉田  8月31日まで、3カ月半足踏みした。ある所から、ある自治体から「県がやる必要ないと言っているから、必要ない」「線量が高いところだけでは不公平。行政は公平性が大事」という理由で協力できないと言われた。1回3500円。研究としてやっている。県はやる必要ないと言わず、自治体の考えでやって良いと言って欲しい。
◆遊佐  子どもに対する影響についての見解
○吉田 テルルとか、事故直後にとられていない。8月31日以降で、1~5mSv/年。おそらく影響はないだろう。しかし長い将来にわたってはわからない。個人の体質がある。マーリー・キューリーは大丈夫でも、周りの人間はバタバタ倒れた。絶対にないとは断言できない。
◆遊佐  望ましい抽出方法は?
○吉田  お金と手配できる線量計の数。ほとんど福島にいっている。推計にも時間がかかる。汚染レベルに従ってか。
◆本多  リスコミは大切。これが上手く行かなかったからこうなった。どういう対策でいったら、上手くいくか?
○吉田  まず、調査への協力。次に人の気持ちは色々あるのだから、いろいろな考えがあることを認める。そして長く続く問題だから、今後も多様なバイアスがかかる。不安になっている人にどうして不安かを聞き、受けとめる。
◆細川  受け手はどうあるべきか
○吉田  受け手に求めるのは、誰かが言ったから正しい、というのでなく、手がかかりモチベーションを維持しにくいが、1つ1つを吟味して自分で判断することだ。

                 


○保科郷雄丸森町長  除染の大きな問題は仮置き場。丸森は水道普及率が県内で一番低い。水の問題に重なる。県は仮置き場から最終処分場というが、福島なら丸森は直接の方が近い。空間線量は4月11日からしか測定できなかった。当時、県南では山元と白石だけ。3月20日石井教授が入って計測した時で1.48。川平地区は飯舘から4K。空間線量は福島と同じ位なのに、対応が違う。同じようにして欲しい。米の移行が少なくて良かったと思ったら、椎茸や灰、と何が出てくるか解らない。丸森は山林が72%。水分60%水準が、土壌数値が高い原因か?ほだ木も昨年は大丈夫でも今回はダメ。国基準が変わったこともあり、不安は払拭できない。深く耕作したところが低い値。県の健康調査もなぜ一部だけなのか。1μSV以下の所は除染補助がでないというので、ボランティアで当時除染。国、県に要望し続けてもダメだから、町で実施することにした。18歳以下は是非やって欲しい。甲状腺に明るい町内の開業医が協力。
<質疑>
◆石橋  あらためて深刻な状況を理解。川内村長に話しを聞いたことがあるが、同様の深刻さ。健康調査は継続してやることが必要だ。町単費では、費用負担がたいへん。
○保科  とりあえず、出来るところからやろう。まず甲状腺検査、結果をみてWBCなど、必要なことがでてこれば考慮していきたい。
◆石橋  他市町村との関わりは?
○保科  健康調査については、特別話ししていない。賠償問題は、2市4町で一緒にやる。
◆遊佐  県の対応へ望むこと
○保科  要望はずっとしてきた。「県には数値をまとめなさいと言ったが、宮城県は出していない」との国会答弁があった。しっかり県が出していたら、丸森は自主避難区域に指定されたのではないか。県も一生懸命動いていただいているが、町は町民のために対策していくしかない。県も同じようにしてほしい。
◆遊佐  特措法が国でも成立。予算要求も。
○保科  追加調査もあれば、予算要求もしたい。
◆仁田  丸森から、専門家の派遣や財政支援の要望をうけた。久道氏から専門家は宮城に13人しかいないと。派遣は全国から求めないと無理かと感じた。財政は国がよこさない。東電の対応は全くなっていない。
○保科  私たちは被害者。健康調査は、細野大臣が県南からやると。県の指導が必要な部分がある。一緒に行動していただきたい。2月24日東電に要望書提出したが、どのような対応がされるかは不透明。
◆仁田  県も県議会も一緒。東電の対応がひどい。町長を激励したい。
◆天下  国から何か言っているか
○保科  ない
◆天下  重点なことはあるか
○保科  発病とか、出てしまったらどうしたらよいか。有識者会議は。
◆本多  血液検査とかもやるとしたら、県へ要望することがあるか
○保科  国、東電に、県と一緒にすすめたい。予算付けができるのであれば、してほしい。
◆佐々木 交付金の見通しがついたのか
○保科  ついた
◆佐々木 文科大臣と話したが、福島は202万人の健康調査の面倒を見てもらっている。丸森では大人の心配の声はあるか
○保科  林業や酪農従事者から健康の影響を心配する声が出ている
◆佐々木 18歳以下に限らず、健康調査の要望があるということか
○保科  ある
◆今野  公害の問題に関わったことがあるが、同様な視点。思い切った対応が必要。南相馬市長も国に任せていられないと言っていた。
○保科  国の福島と宮城への対応の違いは感じる。福島で思い切ったことをやっても予算付けがきくのではないか。宮城が同じ対応をしてもらえないのが残念。ギャップが拭いきれない。きちんとした財源は必要。でも町民の安全には、町は思い切った対応をしたい。
◆今野  国は人災としての態度はある。法的な行動は考えているか
○保科  考えてはいないが、あるのであればご指導いただきたい。
◆細川  検査を受けた後の反応は?
○保科  WBCはすぐに結果がでたので、少なくて安心したと聞いている。甲状腺は、嚢胞といわれた方は驚いたと。


                  

○篠原 (請願者  みやぎ脱原発・風の会代表)  自分は原子力の研究をしていて、危険であることを知った。今回の事故のようなことがあってはならないことだ。被ばくしてしまったのだから、体制を整備してほしいと県議会に請願をした。測定体制は整備されつつあるが、身体の被ばくには手つかず状態が続いている。ヨウ素の影響をデータでとる手段はすでにない。初期被ばくのデータを取ることの大切さ。有識者会議の報告も「推計される」だ。学術の1方向だけで結論付けされている気がする。今中論文に「LSSデータにHLTモデルを適用することは十分合理的なアプローチであると著者は考える」とあるが、これを採用すべきかと思う。原発労働者の労災認定は5mSVでも認定されている。
○太田 (請願者  子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク代表)
筆甫に住んでおり、子どもたちを一時東京に避難させていた。筆甫に住み続ける決意をした。親の都合で決めたのだから、子どもへの健康被害が出ないように子どもネットで活動してきた。専門家ではないので心情を伝えたい。初期被ばく状況が全く解っていなかった。有識者会議は、1回の甲状腺調査で結論を出してしまった。会議の皆さんが、現地にきて話しを聞いたとかは全くない。住民は、どういう行動をしていたか、情報がないので外遊びをさせてしまったとか、とても不安がっている。栃木では、住民との意見交換会をもったと聞いている。リスコミのやり方でないと、不安は解消されない。尿検査のデータ。坪倉先生は、南相馬市でもWBCの結果で子どもは10Bq以上を再検査の目安に考えていると言っている。WBCは、県南に1台は買って調査していく必要がある。丸森は高い線量であることをわかって欲しい。管理区域と同じところで生活している。子どもへの影響はわからない。子どもの体質、アトピーとか化学物質過敏症とか。想定外をなくすこと。栗原市長が、最悪の事態を想定して対応、最大限の努力をすると言ったが、もっともだと思う。ある県南のお母さんが、子どもにどう説明したらよいのかと。宮城県はお金がなかったから、大丈夫っていったから、と将来説明するのか。大きくなった時、子どもたちは宮城県に大事にされたと思うだろうか。子どもたちに出来るだけのことをして欲しい。年1回の健康診査に追加項目でもできる。正しい知識というより、もっと寄り添って考えてほしい。請願の一言一句そのままやってといっているのでなく、できるところから体制を整える一歩にしてほしい。それは、有識者会議に聞くまでもないこと。
<質疑>
◆仁田  気持ちはよく解りました。大変な苦労をさせたが、第一義は東電と国なんですよ。篠原さんは脱原発風の会だが、脱原発の運動と一緒に考えられると困るね。
○太田  子どもネットは、脱原発の運動とは一線を画している。原発はない方がこんな事故は起きなかった。第一義的な問題は、東電と国だと思っている。でも責任を押し付けあっていても、子どもの健康を考えたら進まない。宮城が痛い思いをしても、一歩踏みだして欲しい。
○篠原  事故が起きてしまったら取り返しがつかないことになると思って、脱原発の運動をしてきた。でも起こってしまった。子どもたちを守るためのことを考えなければと思ったのだ。
◆仁田  子どもをセシウムから守りたいというのは、委員全員一致の思い。現状で「公費」を宮城県の責任でやってしまうとな・・・復興予算も削られた。「公費」には宮城県も含むのか。
    原発の有効性は、アーニー・ガンダーソンなど原発擁護から反対にまわったり、国際的考え方が遊離していて、今後議論しなくてはならない。
◆佐々木  真摯な取り組み、ありがとう。福島との違い、宮城に財源こない。国の第二次補正も、リアル放射測定器宮城6機に対して、福島354機など1834億。健康調査も202万人対象782億。国と東電がこっちを向いてくれないと前に進めないのが現実。18歳以下「すべて」といわれると。ガラスバッチも10億かかるんだ。請願の出し方がおかしい。
○太田  請願書はみなで意見をだしあった。請願団体には仙台も入っている。通りやすさも考えたが、現実的問題もあるから、出してみようと。
◆佐々木  丸森町長もいたいへんだ。この請願を通して良いのか。方向付けが問題。
○篠原   前提として県内全域が汚染されていること。内部被ばくの問題も。全ての子どもたちを守ろうという考え方。医療的なキャパ、汚染度の問題などあるだろう。まず出来るところからやる。何人やるとか、比較の意味で低いところもやるとかは、検討してほしい。600億かけなければ始められないとかではなく、何から何まで全てやってとかではなく、子どもを守るために、今のこの現状をどう打開するかということ。データは、どんどん無くなっていく。検証する元がなくなる。出来るところからやっていただきたい。
◆本多  10億というのは、800円×全ての18歳以下の40万人×3カ月×1.05。請願者のガラスバッチの配布の考え方は?
○篠原  吉田先生は、1万人あればデータとして有効と。意義あるデータ検討を専門家にしていただければ出せると思う。まずは初めてほしい。現実にあわせて取り組んで。
◆天下  有識者会議が影響ないと言ったから宮城は進まなかった。宮城県は必要性を認めて、具体的にすすめて欲しいというのが請願の趣旨か?
○篠原  やることが必要なのだという認識に立って欲しい。自治体が県のせいで協力しないのが現実。
◆遊佐  公費の意味は税金、国も県もその意味で同じと受けとめて良いか
○太田  それでよいと思う


              

<審議>
○遊佐 出来ることからやってというのが請願者の趣旨。今請願を通すことが、国や東電を動かすことになる
○本多 真摯な意見が聞けた。出来るところかといっているのだ、採択してほしい。
○天下 有識者会議が影響ないといったことで進まなかった。一方で国に要望している。吉田先生から具体的な提言をいただいた。切実な県民の思いを受けとめ、採択して国を動かしていくべき。
○仁田 公費が問題。現実的な問題として、すぐ採択ではなく調整が必要。継続。
○佐々木 地域を特定すべきかと思う。願意は主旨(1)(2)にかかっている。安全な地域もあると篠原さんも言っている。こういう表現になぜしたのか、紹介議員の意見も聞いてみたいものだ。
○本多  安全な地域があると篠原さんは言った訳ではない。汚染度の高い地域低い地域ということ。
○佐々木 それならそういう表現にすればよいだろう
○本多  今回継続にすると、6月。待てない。これだけ議論も深まった。付帯意見をつけて採択。
○天下  本多さんに同意見。きちんとしたフォローが必要。「安全」な地域ではない。仙台でもホットスポットがある。付帯意見。
○佐々木  請願に付帯意見なんてない。
○遊佐   趣旨採択して、具体的に付帯意見をつける。
○佐々木   主旨は、18歳全員。公費は東電と国。経過を見ていくためにも、継続審議。

採決:継続審議  賛成多数。(佐々木、仁田、今野、細川、石橋)

●12/4今中哲二氏講演の質疑応答部分の動画アップ

先日の今中先生の講演会の中継では質疑応答の部分は中継しませんでしたが
録画画像が配信されたようなので、
リンクを貼ります。
どうぞご覧下さい。

埋め込み画面で動画が閲覧できない場合は、埋め込み枠上のリンクからご覧いただけます。
2つに分けてあります。
http://ow.ly/7U4gD



http://ow.ly/7U4nr

●12/4今中哲二氏講演会報告その2

こんにちは、子どもみやぎ太田です。先日の12/4講演会、他の報告をさせて頂きます。

12/4は県の健康調査と今中哲二先生の講演会とのダブルヘッダーで個人的に忙しい一日となりました。
しかし県がこの日に健康調査を持ってきてくれたおかげで
今中先生にホットなコメントをいただくことが出来ました。
メディアも市民の目線に立って県の対応を疑問視する報道をしてくれたので有り難かったです。
 知りあいの親たちもインタビューで堂々といいコメントしてくれてました。

県も国も簡単には動かないでしょうが、
こうした積み重ねが「県境でこんなに対応の差があるのはおかしいよね」
という意識の広がりにつながっていってくれればと思います。
(それにしても今回の賠償問題も本当に福島だけで綺麗に線引きされました。まだまだこれからですが・・)
私も当日はTVをみれませんでしたが知り合いが送ってくれたものがありますので貼っておきます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111204/t10014395551000.html

さて今中先生の講演会、ご参加、お手伝いどうも有り難うございました。
当日は報道発表250名!ということにしましたが、
本当に多くの人にあちこちから参加して頂きました。
来られなかった方もいらっしゃると思いますが、
サイトの方に当日の紹介とユーストリームの中継が貼ってありますのでご覧ください。

私が特に印象に残ったのは
「サイエンスではよくわからないことがある時、
人々の健康を守るべき行政は影響があるかもしれないという予防原則に立って行動するべきである」
ということです。
学者の意見も割れる中、人々を安心させるには「安全です」というだけではだめで慎重な対応をとり、
きちんと「安全を確認」することで初めて安心と信頼は得られるものだと思うのです。 

講演会終了後の夕食会では
「福島原発の事故では本当に精神的ショックを受け、フクシマ性神経痛!になり、
杖をついて歩かなくてはならないほどだった。」など
人柄を感じせるお話も聞けました。
とてもお酒の好きなヒューマンな先生でした。
私事になりますが、別れ際、先生は大分酔っておられながらも、
「味噌造りは続けるんでしょう」と私に言われました。
その言葉の奥には「続けなさいよ」と言ってくれているようで、
迷う背中を押された感じがしました。

翌12/5には白石市で武田邦彦教授の講演会がありました。
さすがに話題の人だけあり、こちらも多くの人が来場し立ち見も出るほどでした。
内容については
「この辺も結構汚染されている」とはっきりおっしゃっていて、
「安心です」の講演しか聞いていなかった人にとっては刺激的な内容だったのではないかと思います。
 仙南信用金庫なんていう固いところの講演会ですし。
終了後、先日つくった子どもたちの健康調査についてのチラシを白石の方々と一緒に出口でまくことが出来ました。
(どうもご苦労様でした) 
このチラシはサイトからもダウンロードできますのでぜひ多くの方の声を届けてください、よろしくお願いします。

皆さんも色々なご意見、こんな情報流したいなどお寄せください。
寒くなりましたのでどうぞ風邪などひかぬようお過ごしください。 


子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク
太田茂樹

●12/4今中哲二氏講演会報告

12月4日開催の今中哲二さんの講演会の報告です。
きんじょすくいの会のサイトからの転載と+αです。

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丸森町 舘矢間まちづくりセンターに於いて
「放射能汚染のリスクを自分で考える」と題して
今中哲二氏の講演会がありました。
130部、用意していた講演会のレジュメがすぐに足りなくなるほどの盛況でした。

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 またNHKを始めとするメディアのカメラが何台も並び取材をしていました。

最後のまとめの方で、原発事故の後、国が「直ちに健康に影響は無い」と言ったことを受けて

予防原則
よくわからないことがあるとき、人々の健康を守るべき行政は、”影響がある”という姿勢で取り組むべきである。
111204_3

と話されました。

とにかく原発はやめにしよう!とも話されました。
質疑応答ではとにかく健康調査を広くやって記録を残し、
経年変化、放射腺の影響を強く受けたところとそうでないところの「比較」が
後年出来るように今やれる事をやっておくべき。
できるだけ多くのデータをとっておく必要性を強調されていました。

111204_4

チェルノブイリ原発事故が起きた後、周辺30km圏内の村や町が無くなり地域社会が消滅した。
私がずっと言い続けてきたこと。

講演会の後の質疑応答では予定した時間を超えて質問に答えていただきました。
その後、夕食会を兼ねた懇親会までお付き合いいただきました。

講演会の最後に司会の方が
「宮城県に放射能汚染は無いという講演会がいくつも開かれたけれど、
今日のこの会は、宮城県に放射能汚染はある、という大前提に立って講演会が行われた事自体にも意義があった。」
とまとめられていました。

インターネットで生中継をしていただいた”IWJ_MIYAGI“さんの録画を貼らせていただきます。

上記のUst録画の埋め込みが画面がみれない場合は下記からご覧下さい。
http://ustre.am/:1hnoe

(きんじょすくいの会サイト管理人)

質疑応答の部分も付け加えました(12/14)

埋め込み画面で動画が閲覧できない場合は、埋め込み枠上のリンクからご覧いただけます。
2つに分けてあります。
http://ow.ly/7U4gD



http://ow.ly/7U4nr

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放出されたものがいろいろあるが、ほとんどセシウム。
測定しやすいから、チェルノブイリに比べて対処しやすいという話を聞いて、
少し安堵しました。

・健康診断を福島だけでやっていても意味がない。
・汚染の度合いの違う対照区があるということが大変重要。
・丸森子ども83名だけでいいはずがない。
・行政としての姿勢は、リスクの可能性があるのなら予防を徹底するというのが大原則だ。
・食品測定器、高額のものを導入しても、測定時間が短いために検出下限値が高くなってしまい、
 役立つ情報になっていない。ある程度時間をかけた測定をしないと意味がない。

といったお話が印象に残りました。

(円)
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●丸森町議選への立候補予定者への「放射能問題へのアンケート」結果

丸森町の町議会議員選挙が11/13(日)に予定されております。
先日10/30(日)に開催された「子どもの未来を考える集いin丸森」の一環として
丸森町議選への立候補予定者の皆様へ「放射能問題へのアンケート」をとらせていただきました。 
結果を集計いたしましたのでご参考下さい。 
第一部が総合編で第二部が個別編となっております。
 
全員がアンケートを返却してくださり、全体的に積極的な回答が多いと感じました。今後、町政の場でますます対策を進めていっていただきたいと思います。町民の皆さんも地元の議員さんに是非働きかけてください。


下記からpdfでダウンロードできます。

「丸森町町議選立候補予定者への放射能に関するアンケート結果」   第一部 総合編

「丸森町町議選立候補予定者への放射能に関するアンケート結果」   第一部 個別編

●子どもの未来を考える集い in 丸森報告

10/30開催の
「子どもの未来を考える集い in 丸森」の報告です。
きんじょすくいの会のサイトの記事転載です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10月30日(日曜日)丸森町、舘矢間まちづくりセンターにおいて
地元選出の国会議員 橋本清仁さんを迎え
「子どもの未来を考える集い in 丸森」が開かれました。
 丸森に限らず、宮城県南部各地から多くの方に参加していただきました。
また丸森町からは町長を始め議員の方々、仙南地域からも議会関係者の方に参加していただきました。
1030_1
3時から丸森町の住民自治組織「筆甫地区振興連絡協議会」の事務局長吉澤さんの司会で開会。
4時過ぎに到着する予定の橋本議員を迎える前に
「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」代表、太田茂樹さんから
「除染について」や先日事前に情報をつかんで急遽、前白石市議会議員の吉田さんと駆けつけた
「県の健康調査に関する有識者会議」の報告、
丸森町議会選挙に向けて放射能の取り組みを立候補予定者にアンケートした結果、
などの報告がありました。
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前白石市議会議員の吉田さんからも
「県の健康調査に関する有識者会議」の報告や
もう22年も続けられている小金井市での放射能測定の紹介などのお話をいただきました。

丸森のかたくり農園の北村さんからは角田市や丸森町の食品放射腺の測定の話や、
近くオープンする「みんなの放射線測定室」などの話がありました。
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国会議員の橋本清仁さんが到着してからはこれまでの取り組みについての報告がありました。
その後、会場に集まった方からの質問、要望に答えていただきました。
予定の5時を過ぎても会場の方からの話はとまらず、
議員には次の予定をキャンセルして6時近くまでお付き合いいただきました。
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●「宮城県、健康被害はなし」 健康調査は丸森の一部のみ;についての意見!

先日の10/25、県の有識者会議が開かれ、全員一致で「健康被害の心配はない」と結論付けました。そしてそれを受けて県は丸森町の耕野と筆甫の2地区だけを選び小中学生など子どもを対象に健康調査を行うと発表しました。私も直前に情報を得て急ぎ県庁に行きました。しかし公開されたのは県からの報告のみで協議については委員全員の一致で非公開とされました。もっともらしい理由づけはあると思いますが自分たちの発言には責任を持ってもらいたかったです。以下今回の発表に対して思ったことを書いてみました。

まず第一に「健康被害はない」とそんなに簡単に結論付けられるのでしょうか?健康被害は長い時間をかけてみなくてはわからない問題のはずです。ほんの1時間くらいの協議で全員一致して「健康被害はない」これでは「答えありき」と言われても仕方がないのではないか。メンバーは東北大関係者で占められていて内部被曝に詳しそうな専門家は見当たりません。そういう方もメンバーに入れるかヒアリングをするとか、意見が割れている問題なのに同門の同じような考えの人だけで話し合って協議と言えるのか、大いに疑問です。

そして第二に「対象と範囲」ですが、町単位ですらなく、2地区だけ・・。正直耳を疑いました。そんな調査あるのでしょうか?それも小中学生だけなら人数はせいぜい数十人です。こんな少数で影響がはかれるのでしょうか? 爆発事故のあと両地区から避難していた子供もいますし、逆に地震の影響で実家のある両地区に戻ってきていた地区外の子もいたはずです。もっと広範囲に、行動記録なども含め丁寧に調査するべきです。線量が高い場所は県南、さらには県北にもあるのですからもっと範囲を広げるべきです。そして一般人、特に妊婦さんや若者、外作業の多い農業者などにも対象を広げ、必要な検査は生涯を通して行う必要があると思います。

現在、栃木県の方でも健康調査に関して有識者による会議が始まりました。それぞれ県によって対応がバラバラになるのは問題です。やはり国の方で健康調査の基準を作り、ある程度責任を持って実施する必要があると思います。


10/30「子どもの未来を考える集いin丸森」ではこの辺のところも橋本議員にぶつけ、国の対応を促したいと思います。 是非大勢の声を集めてください。 またサイトへのコメントもぜひ寄せてください。 よろしくお願いします。

文責:太田茂樹



宮城県健康影響に関する有識者会議委員名簿

石井慶造  東北大学工学研究科 教授 
東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター センター長

辻一郎   東北大学大学院医学系研究科 教授

久道 茂  財団法人 宮城県対がん協会 会長

藤森啓成  東北大学病院 乳腺内分泌外科 准教授

山田章吾  財団法人杜の都産業保健会 理事長

●10/1イベント(児玉教授講演録上映会、食品測定会、ラディカフェ)のご報告

先日ご案内した10/1のイベントの報告です。

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食品測定会は、申し込みが多数でした。
その中から、同じようなもので重ならないように
いろんな種類のものを計測していただきました。
この10/1に本格オープンの
福島市の市民放射能測定所(略してCRMS) から
上野さん、青木さん、清水さんにきていただき
LB200を使っての測定になりました。
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測定結果は、誤差も多いので、
とりあえず、今回は公表しない事にしますが、
やはり、果物と川魚類は若干高めでした。
以外に、塩蔵の山菜(2011春採取)も高く驚きました。

以下、測定についての沼倉さんからのリポートを紹介します。
福島市民放射能測定所による出張「食品測定会」(測定機器:LB200)では、測定に関心のある約40名近くの市民が来場、白石市を中心に、玄米、根菜類、果物、葉物野菜、牛乳、生卵、豚肉、川魚、井戸水など18検体を測定。全体としては、じゃがいも、玉ねぎ、などは比較的低い値でしたが、果物などは高い値が出やすいこと、市販の牛乳や豚肉は低い値ですが、川魚は高い値が出ること、などの傾向が分かりました。
また、今回、測定に使用した「LB200」は、放射性セシウムだけでなく放射性のカリウムの放射線の値も一緒に検出するため、測定当日はカリウムを除いた数値も算出して掲示しておりましたが、後日、市民測定所から他の計算式で計算してしまったとの連絡が入ったこと、また、カリウムの算出方法は厳密には難しく、市民放射能測定所のホームページではカリウムを含んだ数値のみを公表しているとのことでした。

注)「カリウム」=天然に存在し、動植物にとって必須の物質ですが、その中に放射線を出す同位体・カリウム40をわずかに含む。

基本的に、「LB200」は高い値が出やすい機器のため、数値の見方としては、今回の「LB200」で測定した食材の測定値どうしの比較で、例えば、川魚は高い値がでるようだ、など、傾向をつかむには参考になりますが、他の測定器を使って県や自治体が公表している数値との「数値そのものの比較」は、正確には行えないことになります。



測定希望でお持ちいただいたもので
残念ながら、できなかったものもあり
申し訳ないことでした。
12月には宮城県南部の大河原に
「みんなの放射線測定室」がオープン予定です。
場所がようやく決まりました。
期待は高そうです。

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測定結果の報告書です。数字はたぶん拡大しても見えません。


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向かいの図書室では、除去食など、被曝を減らしたり、被曝に負けない身体づくりのために、
お母さん達各自がしていることをシェアする
「ラディカフェ」を開催しました。
子ども連れの若い?(?つけたことに失礼!)お母さんが多く参加しました。
子どもを守ってあげられるのは「母の愛」です!

以下、担当の吉田貞子さん(白石)のレポートです。
参加者は、0歳児から60代まで約30名。
佐藤円さんから、「放射能時代に生き抜くために、我が家でしていること」をお話しいただく。
その後、米のとぎ汁乳酸菌をつかった豆乳ヨーグルトの作り方と試食会。
福島市の大内果樹園さんの梨
(なんと1ベクレル限界値で測定して、放射性物質が不検出の梨です)
を使った酵母ジュース、
ひっぽの元気な味噌SOYAさんのみそ汁、
七ケ宿の白炭佐藤さんの炭パウダー入りクッキーと
「免疫力をあげる。体に取り込んだ放射能を外に出す」メニューもたくさん。
「酸っぱぁ〜い、美味しいー!、おかわり〜」
とおだやかで賑やかなティタイムを過ごしました。


次のラディカフェは
10月8日(土)朝9時〜12時に大河原町金ヶ瀬公民館 調理室で開催です。
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そして夕方5時からは
代表の太田さんと事務局の沼倉さんが飛び込みで参加し
南相馬で収録してきた
あの児玉龍彦さんの講演録上映会でした。
上映後の意見交換も盛り上がり長時間になりました。

(児玉龍彦氏:東京大学先端科学技術研究センター教授・東京大学アイソトープセンター長。
2011/7/27の衆議院厚生労働委員会での「政府はいったい何をしているんですか!」発言で話題。)

以下、代表の太田さんのリポートです。
今回の公演録は9/17に南相馬市で行われた講演会の録画でした。市議会議員さん達の研究会が主催したものだったので、どちらかというと政策提言的な内容が濃いものだったように思います。「民間活力による放射能除染について」というタイトルで行われた講演では放射性ヨウ素、セシウムの危険性から住宅、田畑、森林、高速道路の除染まで話は及びました。細かい記述はできませんが、印象に残ったこととして「除染は国の対応を待っていたのでは遅い、住民や自治体が自ら計画をたて、国はそのテコとして利用するものと、発想を変えなくてはいけない」「安全か、安全でないかを議論していても始まらない、事実についての議論が必要」「こうした国難のときに放射能問題に本気で取り組んでいる企業をきちんと見極め、評価することが重要」「信頼できる研究者かどうかはまず何の研究者か、自分の研究データに基づいて話をしているかが大事」などでした。

国会での「満身の怒り」を表明した姿とは全く違った、穏やかで被災地への深い思いを感じさせる講演でした。そして、こうした講演会を行政が主催して行い、児玉教授の提言に真摯に耳を傾けている点にわが県、自治体との大きな違いを感じました。放射能と真剣に向き合うことでしか住民の安心、信頼は得られないという意思表明だと思います。

上映会のあと質疑応答はできないので意見交換のような場をもうけました。長時間の上映のあとだったのですぐに終わるかと思いきや、活発に発言がでました。全てを紹介できませんが、最終的に「ただ文句を言っているだけでは何も変わらない、きちんとした声を行政に届け続けることが大事である」という結論に達したように思います。



てんこもりのイベントでした。

参加のみなさんありがとうございました。
関わった方々お疲れさまでした。